腸内ケア


人や犬および猫において腸内環境を整えることが色々な疾患の治療を助けれくれることがわかってきています。
環境を整えるために摂取するものの一つとしてプロバイオティックスということばをたくさん目にします。腸内の有用菌を指します。

急性下痢、慢性下痢はもとより、感染症の治療やアレルギー性皮膚炎(アトピー性皮膚炎)の治療の補助、歯周病の治療、精神の落ち着きに対する効果など多岐にわたります。
下痢だけではなく便秘に対しても効果があるとされます。

例えば感染症のひとつであるジアルジア症の原因原虫であるジアルジアは健康な犬からも便に排泄される可能性がありますが、子犬・子猫や免疫力が低下している犬・猫には難治性の下痢を起こし強い健康障害を引き起こす可能性があります。
ジアルジア症の治療には抗生剤のほかにプロバイオティクスやプロバイオティクスが含まれる食事療法を追加した場合、追加しなかった集団と比べると正常便の日にちが多かったというデータがあります。

プレバイオティクスという言葉も聞いたことがあるかもしれません。
この2つの違いはプレバイオティクスは食物繊維の一種で、大腸内にすでに生息する善玉菌に栄養を与え、その増殖を促進します。
つまり、プレバイオティクスプロバイオティクスの栄養源となるのです。 
その二つが合わさったものがシンバイオティックスと呼ばれるものです。プレバイオティクスは通常、高繊維食品に含まれています。

実際に治療で使うサプリメントやフードの種類もたくさんありますが今回はサプリメントを紹介させていただきます。

SivoMixx®️サイボミックス

『サイボミックス』は、『Slab51』と呼ばれる8つの乳酸菌とビフィズス菌を含むプロバイオティクスです。

  • 与えやすい粉末タイプでいやな味がないため、許容されやすいです。
  • 1袋あたり8種類2000億個の善玉菌を配合
  • 複数の研究に基づいたプロバイオティクスを配合
  • 原材料:Slab51 (以下の成分を含む)

Streptococcus thermophilus DSM 32245 
Lactobacillus brevis DSM 27961 
Bifidobacterium lactis DSM 32246 
Bifidobacterium lactis DSM 32247 
Lactobacillus plantarum DSM 32244 
Lactobacillus paracasei DSM 32243 
Lactobacillus acidophilus DSM 32241 
Lactobacillus helveticus DSM 32242
マルトース

GOOD GUTS®️グットガッツ

こちらはいわゆるシンバイオティックと言われるサプリメントです。猫用が魚のお味で犬用がピーナッツバター味になります。
ピーナッツバター味はアメリカ生まれのサプリな感じがしますね。
このサプリの特徴プロバイオティックスの種類が豊富なところ、味が食べやすいことなどがあります。
品質にもこだわりヒューマングレードと言われるレベルの安全性とされています。

<総菌数> 30億個 (CFU、コロニー形成単位)
・乳酸菌:アシドフィルス菌、プランタラム菌、カゼイ菌、ラムノーサス菌、ブルガリア菌、ラブレ菌
・ビフィズス菌:ロンガム種、ビフィダム種、アニマリス種ラクティス、ラクティス種
・ストレプトコッカス・サーモフィルス菌
<総プレバイオティクス> 210mg
・フラクトオリゴ糖…10mg
・イヌリン…200mg

  

よくご家族からいただく犬や猫は人のプロバイオティックスをあげられるかというご質問ですが摂取はできます。有害にはならないです。一部効果があることもあります。ただし、犬や猫の腸内細菌叢とは人とは異なるため犬や猫のサプリメントと同等の効果が得られない可能性もあります。

疾患によってはプロバイオティクスの投与が良くないケースもあります。

当院ではその子に必要と思われるおすすめのケアをご案内することを心がけております。
もしご自分で商品を探された場合は動物病院にも相談していただけるとより安心ですね。

引用

Del Pilar Angarita-Díaz M,et al.2024 Jun 14;29(1):328.
Review J Vet Med Sci 87(9): 1068–1077, 2025
Fenimore A et al. 2017 Sep;32(3):100-103.

当院は早朝7時から(日曜・祝日は9時〜)完全予約制で診療を行なっている渋谷区代々木上原、代々木公園に近い動物病院です。
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この記事を書いた人

巡 夏子

大学卒業後、北海道の中核病院で内科や外科診療に携わった後、関東の夜間救急病院で勤務しながら大学病院や2次診療施設で循環器診療を習得。その後、2つの一般病院で診療部長や副院長として診療にあたる。2023年、渋谷区元代々木町に「めぐり動物病院 元代々木」を開院する。