これは病名ではなく症状です。
オーナーからご相談がとっても多い通称“逆くしゃみ”は発作性の呼吸症状で反射の一種です。
通常のくしゃみでは空気が鼻から急速に押し出されるのに対し、逆くしゃみは鼻から急速に空気を吸い込んでいる状態です。
犬は鼻を鳴らすような音を立て、くしゃみをしながら息を吸い込もうとしているように見えます。大きな音が出ます。
猫ではまれな症状です。
激しい努力呼吸を伴うような大きな吸気音でおうちの子が苦しそうに見えるのでご心配されるオーナーが多い症状だと思います。

原因
正確な原因はわかってないとされていますが。喉の奥へ(鼻咽頭)の刺激が逆くしゃみの引き金となるともされています。
刺激として考えられるものは、臭い、煙、鼻汁や唾液などの分泌物、植物(種子、花粉、草)、生物(ダニ)などの異物、できもの(腫瘤)などが想定され、アレルギー反応である可能性もあります。
犬種ではパピヨンやチワワの1歳未満の子ではよくご相談される印象が多く、生理的(病気ではない)であることが多いです。
診断
通常は急いでお連れいただいた時にはすでに症状はなくなっています。
病歴や起こった時の症状を聴取し、動画があればかなり高い確率でその場で逆くしゃみであろうとお伝えできることが多いです。
たまに通常のくしゃみや咳やストライダーやスターターという喉や鼻の奥からでる音との区別がつきづらいケースもありますが、音が鳴っている時に口が開いているか閉まっているかで区別ができることが多いです。
動画で上から撮影していたりとちょうど口元が見えない場合、少し迷うケースがあります。
ちなみに逆くしゃみをしている時は口がしっかり閉じているのが特徴の一つです。

検査
通常は生理現象なので何もしなくて良いのですが、症状によっては検査をお勧めする場合もあります。
慢性で頻度が高い場合や他の症状、例えば逆くしゃみと一緒に咳、くしゃみや鼻汁、鼻血などが出る、元気や食欲がないなどの症状がある時は病気が疑われるために検査を行います。
疑われる疾患は上気道感染症(いわゆる風邪)、気管虚脱、鼻の腫瘍やポリープ、鼻腔や口腔内の異物などの異常な呼吸や鼻鳴りの他の原因を除外します。
場合によっては、血液検査、アレルギー検査、レントゲン検査などを行い、同様の症状を引き起こす可能性のある他の疾患を除外します。
初めての症状をみて何かわからない場合は動物病院で見せる動画を撮りましょう。
逆くしゃみは動画があるとすぐに特定できます。
また、逆くしゃみとわかったあとにも病院に受診した方が良いケース
- 慢性で頻回:1週間以上、1日3回以上続く
- 中齢あるいはシニアになって頻度が増えた
- 逆くしゃみに加え他の症状がある。
例 鼻血、鼻水、腫れ、元気食欲がない
これはあくまで目安ですのでご心配な症状がある場合は必ず動物病院に相談しましょう。
当院は早朝7時から(日曜・祝日は9時〜)完全予約制で診療を行なっている渋谷区代々木上原駅、代々木公園駅から徒歩でご来院いただける動物病院です。
循環器科、内科、外科、皮膚科、眼科に力を入れている病院です。
早朝から対応をご希望されるケース
・夜間に体調を崩して朝になっても安定しない。
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セカンドオピニオンにも対応しております。(これまでの検査結果や治療内容をお持ちください。)