内視鏡

は、低侵襲な検査や治療ができる機器です。
低侵襲とは生体に負担が少ないことを指します。

健康診断で胃カメラを受けたことがある方はお分かりになると思いますが、胃カメラを口もしくは鼻から挿入します。全身麻酔をする場合と起きたままで鼻の中や喉に局所麻酔をして実施する場合があります。しかし、犬猫は体が小さいので口から挿入します。また嫌がってしまうので当然、全身麻酔が必須です。

負担が全くゼロ(非侵襲)ではないのは全身麻酔が必要だからなのもありますね。

内視鏡が胃カメラと言われるように胃を観察する場面は多いです。細かくいうと口から喉を経て食道、胃、十二指腸、小腸と上部消化管の観察ができ、大腸から盲腸、回腸と進めると下部消化管の観察ができます。
また、口の中から喉に行く手前で先端の方向を変えると鼻の奥、が確認でき、呼吸器の一部領域の観察も可能です。

写真2のような鉗子を写真1の鉗子口から挿入すると検査や異物の摘出等の治療ができます。異物を摘出するものは別の形になります。この鉗子という道具は様々な種類があり、適切なものを選ぶことにより検査や処置がスムーズになります。
写真2の生検鉗子は先端が2−3mmのカップという粘膜をかじり採るタイプで、採った材料は病理検査に提出します。この量の粘膜を採っても少量の出血はしますが、麻酔中はもちろんのこと、麻酔から覚めた後も痛みを感じないのです。

写真1 内視鏡はこんな構造です
写真2 様々な種類がある鉗子のなかの生検鉗子

飲んでしまった異物によっては内視鏡でとれないこともありますが、鉗子の種類を変えることで成功率が顕著にあがります。
当院は猫や小さい犬に対応した細い先端の内視鏡もご用意があります。

お困りの時はご相談くださいね。

この記事を書いた人

巡 夏子

大学卒業後、北海道の中核病院で内科や外科診療に携わった後、関東の夜間救急病院で勤務しながら大学病院や2次診療施設で循環器診療を習得。その後、2つの一般病院で診療部長や副院長として診療にあたる。2023年、渋谷区元代々木町に「めぐり動物病院 元代々木」を開院する。