てんかん

たまに聞くこの病気について、病気のご紹介と一緒に注意点などもご紹介します。

ヒトや動物の脳は神経細胞が電気信号を使って情報を受けたり、体に命令していろいろな動きや生命活動で生きています。
その電気信号が乱れることによりけいれん等の神経症状を起こして発作(てんかん発作)をくりかえし起こす病気自体を”てんかん”と言います。発作は脳の機能が障害された状態です。

「てんかん発作」は、脳にある神経細胞の異常な電気活動により引き起こされる発作のことで、突発的に運動神経、感覚神経、自律神経、意識、高次脳機能などの神経系が異常に活動することで症状を出します。
そのため、「てんかん発作」ではそれぞれの神経系に対応し、体の一部が固くなる(運動神経)、手足がしびれたり耳鳴りがしたりする(感覚神経)、動悸や吐き気を生じる(自律神経)、意識を失う、言葉が出にくくなる(高次脳機能)などのさまざまな症状を生じます。

厚生労働省のHP

こちらは厚生労働省のHPからの引用ですので、ヒトの場合となります。


動物も概ねヒトと同じですが、匂いに異常を感じたり視覚に異常がでるといった本人しか気がつけない発作は犬や猫では分かりません。外からうちの子を見てわかるのは”全般性強直間代発作”と言われるものが多いです。
具体的には意識がなくなり、全身が硬くなった後(強直相)に全身がガクガクと震えます(間代相)。症状が軽い場合には、一方の腕や顔の一部だけが数秒間だけ固くなるだけのこともあります。

てんかんには特発性症候性があり、前者は頭のなかに原因がないがけいれん発作が起こってしまう。後者は頭に構造的な異常がある場合です。脳腫瘍や外傷性出血などがこれになります。MRIで診断しますが、特発性は若いときから存在するケースが多いです。
また、神経発作の原因として、反応性というものがあり、主に中毒や代謝異常と言われるものがあります。病気による低血糖で起こるけいれんもこのなかに入ります。

この3種類の発作は原因が違い、予後も違うのです。診断すべきになります。

しかし、起こった時にそれは分からないので同様にけいれんを止める治療をします。治療と同時に原因をさぐるため血液検査や心電図及び血圧測定は欠かせません。
 脳の異常以外でけいれんやけいれんに似た症状が起こり得る疾患はたくさんあります。
例えば、すい臓の腫瘍や肝機能低下による低血糖、代謝性疾患のアジソン症候群、心臓の不整脈などはすぐわかるケースもありますが、何度か検査をしてわかることもあります。


実際にけいれん発作が起こってしまったら

初めて起こった場合(初発)は動物病院に急行される方が多いと思います。必ずそうしてください。

ただ、これまでにけいれんを起こしたことがある場合も動物病院と連携をとってしっかりみていきましょう。

【けいれん発作が起こった時】

  1. 発作を止めるものを処方されていたらすぐに発作を止める
    次に起こるかもしれない発作を予防する効果もあります。
  2. 病院に連絡、あるいは行く用意をする
    発作が起こってもすぐ治るかもしれませんが、またすぐに起こる可能性が十分にあります。

【けいれん発作を早く治療しないといけない理由】

  • けいれん発作が長く続くと本来は効くはずの発作を止める薬(抗けいれん薬)が効かなくなります。
     5分以内に治療することを目指します。
  • けいれん発作で頭に2次的に傷害が出ることがあります。
  • けいれん発作で他の臓器に傷害が出ることがあります。

【発作が出た時に発作を止める対処とできれば一緒に行って欲しいこと】

  • スマートフォンなどで動画を撮る
    心配し動揺している時に難しいと思いますが、初発の時は診断の一助になります。
    てんかんと診断された後で、いつもの”けいれん”だと思っていたら他の疾患だったという可能性もあります

特発性てんかんは予後が比較的良いとされますが、適切なコントロールをしなければ命の危険も十分にあります。

動物病院としっかり連携をとっていくことが大事になります。

この記事を書いた人

巡 夏子

大学卒業後、北海道の中核病院で内科や外科診療に携わった後、関東の夜間救急病院で勤務しながら大学病院や2次診療施設で循環器診療を習得。その後、2つの一般病院で診療部長や副院長として診療にあたる。2023年、渋谷区元代々木町に「めぐり動物病院 元代々木」を開院する。