歯磨きに慣れてくれました

歯磨きに通っている当院の患者様のケア内容のご紹介をさせてください。

「ご自宅にいる他の子達は歯磨きいい子でやらせてくれるけどこの子だけ歯磨きを嫌がって怒ってしまう。」とご相談を受けました。
なんとかして歯周病の進行を遅らせたいというオーナーのご相談を受け、病院で定期的に日頃のケアのお手伝いをすることになりました。

【頻度】
歯垢が歯石に変わるのが48時間から72時間といわれていますので、2−3日に1回でも病院で行いましょうということになりました。

最初は歯磨きシートを歯につけることから少しずつ慣らしました。
ミルク味のウェットシートを使ってみました。

残念ながらこの子はお家でもトリーツやフードに興味がない子で全くご褒美作戦は使えませんでした。

とにかくできたら褒める!を繰り返し徐々にやらせてくれる様に。


その後、慣れてきたところ歯ブラシの導入です。
味があった方が受け入れてくれることが多いので、ローストチキンフレーバーで慣らします。
コツ:最初は1箇所2箇所とメインの歯だけつけてみます。焦らずに慣らします。
この時点でブラシは以前より嫌がらずやらせてくれるになってきました。
それでも首を振って拒否してしまうこともありますが、褒めながら根気強く実施しました。

コツ:嫌がった時に止めると、嫌がればやめてくれると思うので、よくできた時に一休みします。

コツ:大袈裟かな?と思うくらい褒めます。

ふんわり味がするタイプの歯磨き粉です。
歯ブラシは毛が柔らかく当てても痛みがないものを選びました。もともとお家で使っていたものもこちらでしたが、お家では使えなくて眠っていたそうです。


同時に、歯周病に対する唯一の医薬品と言われているインタベリーα®️を併用します。
最初の4週間は週に2回奥歯と歯肉の間に指で塗り込むだけで、数ヶ月効果が持続すると言われています。
歯周病のきっかけは歯垢や歯石の元の歯周病菌が起こす炎症により歯肉が腫れ、腫れると凸凹になりそこにプラークや歯周病菌がくっつきやすくたまりやすくなるという機序があります。
その歯肉の腫れを防ぐお薬”インターベリー”です。

歯茎に塗り込むだけで、甘いイチゴの匂いがします。
喜んで舐めちゃう子もいますが、しっかり歯茎に塗り込みます。
4週間しっかりつけたあとは、週に1回から2週に1回に塗布間隔を伸ばせるのが便利です。

歯磨きが慣れてきたところで、歯磨き粉をより効果がわかりやすいものに変えていきます。
このジェルはすでに付いてしまった歯石を少し溶かしてくれることも

少し甘めの味がする口の中に垂らすタイプのジェルです。こちらをブラシにつけて歯ブラシをするとより効果的です。





1日置きに5分ちょっとですが、確実に慣れてきてくれています。

病院での歯磨きが慣れた頃、お家で触れなかったのに、シートではやらせてくれるようになったと嬉しいご報告を受けました。


ご自宅から当院が近いためデンタルの通院を頑張りやすい距離にあり頑張って通ってくださったため、ご自宅でのケアも一歩前進でスタッフも嬉しいご報告でした。

なにより痛みがない、怖くない状態で歯磨きに慣れてもらう必要があります。
無麻酔でガリガリと歯石をとるのはもってのほか論外です。

たくさん歯石がついてしまっている子はたいてい歯周病により炎症があるので、歯磨きに痛みを伴います。
まず歯石を麻酔下で綺麗に除去する必要があります。歯周ポケットの中まできれいにします。

痛みがない状態で普段のケアを慣れさせてあげるのが大事です。


健康寿命が伸びてきた今だからこそ歯を残してあげたいですね。

歯周病がどのくらい進行しているのか、チェックもできます。
ケアや治療のご相談はお気軽にしてくださいね。


この記事を書いた人

巡 夏子

大学卒業後、北海道の中核病院で内科や外科診療に携わった後、関東の夜間救急病院で勤務しながら大学病院や2次診療施設で循環器診療を習得。その後、2つの一般病院で診療部長や副院長として診療にあたる。2023年、渋谷区元代々木町に「めぐり動物病院 元代々木」を開院する。