剪毛(毛刈り)後脱毛症

 「あれ?うちの子こんなに毛が薄かったっけ?」「なんだか禿げてきた?!」というように、オーナー様が日常生活で気づきやすいのが「脱毛症」です。脱毛症にはさまざまな原因があるため、原因をしっかりと見極めることが重要です。

 今回は、よく毛刈り後脱毛症とも呼ばれる、「剪毛後脱毛症」について、ご紹介していきます。

【剪毛後脱毛症】

 剪毛後脱毛症とは、その名の通り、毛刈りをした後に毛が生えなくなってしまう状態のことを言います。詳細なメカニズムはわかっていませんが、化学的、物理的外傷によって、育毛の停止が引き起こされます。

【剪毛後脱毛症】

 有名なのがポメラニアンです。その他にも、Plush-coat breedと呼ばれるアラスカンマラミュート、アラスカンエスキモー、チャウチャウ、キースホンド、サモエド、シベリアンハスキーがリスク品種として挙げられています。しかし、他の犬種や短毛種であっても、毛を刈った後に脱毛する可能性はあるため、注意が必要です。

【発毛までの期間】

 実は、剪毛後脱毛症は一生毛が生えないわけではなく、待っていれば再び発毛するのですが、その期間が結構長いのです。

Short coat:〜4ヶ月

Long coat:〜18ヶ月

と言われていますが、最長で2年生えない場合もあります。

【診断】

 診断方法は特殊なものではなく、これまでの毛刈りの有無と、一般状態の確認になります。また、他の内分泌疾患や腫瘍性疾患など、脱毛を引き起こす疾患を除外した上で、剪毛後脱毛症と診断します。

【治療】

 いずれ生えてくるので治療の必要はありませんが、必須脂肪酸やビタミンEヘパリン類似物質のような血流改善療法も、育毛を促進するとされています。最近では、5-ALAを使用したサプリメントの発毛効果も認められるようになってきました。



病気で生えないのか、それともこのような剪毛後脱毛状態になっているのかご心配な場合はご相談くださいね。

当院は早朝7時から(日曜祝日は9時〜)完全予約制で診療を行なっています。夜間に体調を崩して朝も治っていない場合、すぐ対応できます。(緊急時はすぐにお電話ください)

この記事を書いた人

獣医皮膚科認定医 門岡友子

この度「めぐり動物病院 元代々木」にて皮膚科専門診療を任されることとなりました。
皮膚疾患は動物病院への来院理由でも常にトップ3に入る疾患です。
また、アレルギーや感染症、免疫介在性疾患、腫瘍など、原因が多岐に渡るのも皮膚疾患の特徴です。
そのため、皮膚疾患の原因を一つ一つ丁寧に紐解き適切な診断を行い、ご家族に寄り添った治療を提案してまいります。
ワンちゃんネコちゃんの皮膚疾患にお困りの方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。

経歴
・麻布大学獣医学部 卒業
・Vet Derm Tokyo 皮膚科第1期研修医
・ヤマザキ動物看護専門職短期大学 非常勤講師
・日本小動物ケースベースド情報ネットワーク(JCABIN)皮膚科担当講師